今年に入ってから正社員にならないかという誘いを4件ほど受けた。景気の悪い中でそういう話が来るということは、30歳のエンジニアというのは売り頃の商品なのだろう。
このままフリーでやっていった場合、私はあと5年は売れ筋商品でいられると踏んでいる。が、その後の見通しは暗い。例えば10年後、40歳になったフリーエンジニアに仕事をくれる会社はあるだろうか。無くはないだろうが、需要はかなり減ると思われる。
20年後。50歳になっても売れるだろうか。その歳でエンジニアとして仕事がもらえるとしたら、相当スペシャルでなければいけないだろう。
ということは、正社員にならないと宣言している私は、スペシャルにならなければいつか仕事を失い路頭に迷うことになるわけだ。なんともハードルが高い話である。
それでも「人脈」、「時代に合った技術」、「知名度」があれば、生涯現役でいることもけして不可能ではない、と思っている。特に「知名度」。ジェームズ・ゴスリン(Javaの生みの親。50は超えてると思う)が「エンジニアとして働かせてくれ」と言ってあなたの会社の門を叩いたらどうなるか。「是非」という話になるだろう。
そこまで知名度がなくても「ああ、あの人ね」と言われるレベルの知名度があれば、なんとか仕事を得られるんじゃないだろうか。「あのいい加減な本を書いた人」とか「JavaScriptで変なプログラム書いてる人」とかで知られても難しいだろうけど。
そんなことを帰りの電車で考え、自分の人生って意外と余裕ないんだなぁということを、ちょっと嬉しく思ったりしましたとさ。人間、余裕なんてあったっていいことないと思うので。