こんな記事を見かけた
メモリ1枚増設って、そんなに大変なことなんでしょうか?
http://japan.cnet.com/blog/trans/today/2009/09/08/entry_27024797/
Celleron + メモリ512MBの環境で作業をしていて、スワップが酷くて時間をロスしてるのでメモリ増設を頼んだら、総務が渋ったり業者が渋ったり、作業料2万円でならやれなくはないと言われたりしたという、割とありがちな話。
私も昔(といっても1年以内)、メモリ512MBの環境でEclipseを使った開発をしていましたが、スワップは酷いわTomcatの再起動に阿呆みたいに時間はかかるわで、話にならないので休んだ人のPCをリモートで利用して2台体制を敷いたり、テスト用のサーバにもう1つ環境作って、コードはローカルで書き処理はそっちで試すなどして暴れた記憶があります。
(注:一応、許可らしきものは取ってやりました)
あっ、その節はどうもすいませんでした。もうしません。許してください。はい、悪いことだってわかってます。ごめんなさい。やめて、ぶたないで。許して。
そういえばそれ以外にも面倒な体験があります。
ある日、職場で使用していたパソコンがプツンと音を立てて電源が落ち、復帰しなくなりました。音的にたぶんホコリによるショートだろうなぁと思って、エアダスター片手に「これ、開けていいですか」って社員さんに聞いたら、「これリースなんだよね。保証なくなるから開けたらダメ」と言われ、あえなくそのマシンは修理の為に業者に引き渡しになりました。エアダスターで吹けば5分で復帰したと思うのですけどね。
で、戻ってくるまで1週間くらいかかるということだったので、代替機をもらったわけですが、それのセットアップやら、壊れたPCのローカルに必要なファイルが取り残されてたりで、結局2日分くらい時間をロスしました。
当時の私の業務経験が確か5年目。5年もののエンジニア2日間の値段って、最安価格で6万、高ければ10万以上したりするわけですが、10万の損失っていうのもなかなか派手だなぁと思いました。
それでも、まぁ、そういう突発的なことっていうのは、ある程度の規模がある企業にとっては頻度的に無視できるレベルの話なので、それよりかリースのメリットを取った方が良いのだろうなぁと。
規模が小さい会社だと、パソコン1台買い与えて「不満があったら家からパーツ持ってきて繋いでいいよ」とか言ってくれるフリーダムなところもあるわけですが、ある程度の規模になると管理義務とかいろいろ出てきてしまうので、許可できないようです。マウスとキーボードなら、大きい会社でも家から持ってきてOKなところがいくつかあった気もしますが。
で、そろそろ本題ですが、実際にメモリ1つ取り替えるのっていくらくらいかかるのでしょう。
自分がメモリ取替え業者の人間だったとして、メモリを取り替えるのにかかる作業を考えてみると、先方の会社に出向いた場合で、以下のような工程が発生すると思われる。
1. 作業依頼を受ける
2. メモリの在庫を確認する(無い場合は業者に発注する)
3. メモリを持って先方の会社に出向く
4. メモリを刺す(メモリの初期不良や静電気による破損等が発生するリスクあり)
5. 無事作業を終了して帰ってくる
6. 報告書みたいなものに記入する
社員が赴かずに、PCを送ってもらう場合は、こんな感じだろうか。
1. 作業依頼を受ける
2. メモリの在庫を確認する(無い場合は業者に発注する)
3. 対象PCを梱包して宅配便で送ってもらう(配送中に破損するリスクあり)
4. PCを受け取り、メモリを刺す(静電気による破損等が発生するリスクあり)
5. 梱包し直して、先方に送り返す(配送中に破損するリスクあり)
前者の場合はお互いの会社の距離にもよるけど、片道45分、往復で1時間半かかったとして、到着して作業を始めるまでに待たされたり案内されたりで20分、作業が10分、動作してるか様子見10分。あとは依頼を受け付けたり報告書っぽいものに記入したりが合わせて30分。合計すると160分。人件費(教育・福利厚生費等含む)は、新入社員を使ったとしても2500円/時程度、メモリは純正品を使うから4000円程度になるだろうか。とすると、計10600円くらいになる。
もちろんこれはただの原価的な額。社員が全員、自分の原価分しか稼がなかったらそんな会社は速攻潰れるので、まともな会社なら倍額くらいは要求する。そうすると2万円。
で、これにリスクが勘案される。メモリの初期不良やらはまだ良いけど、作業中に過失を伴う事案が発生した場合は賠償が発生する可能性もある。
前にとある人材派遣会社の保険関係の仕事をやっていたことがあるのだけど、派遣の人が「やっちゃった」事件とかが毎週のように流れてきて、請求額ヤベーとか思った記憶があります。
その辺を考えると、物凄くいい加減な計算だけど、最初の記事で2万って言ってた金額はそれなりにサービス的な値段かなぁと思った、というのが今回の結論。
最後にメッセージ。
全国の社長様。エンジニアにリースとか封印+サポート付きのマシンを与えることは、けして効率の良いことではありません。
家から持ってきた得たいの知れないものを勝手に刺していいマシンを与えてくれた方が、きっと生産性は上がります。
金出せなんていいません。「勝手にしていいよ」って言ってくれればそれでいいんです。とても会社じゃ買えない様な高級品を勝手に持ってきたり、気が付いたらケース以外の中身が全部摩り替わっていたり、ディスプレイの数が増えてたりするかもしれませんが、ちゃんと生産性は上がりますから。
あと、けしてLANには繋がないんで、家から持ってきたノートPCを机に置かせてください。
管理体制上無理ですか、そうですか。すいません。