今日、「法律よりもエンターテイメント」でお馴染みの(?)Googleさんが提供し始めた、興味深い新規サービスを2つほど見かけました。
2つとも個人的には好きな系統のサービスなのですが、どっちも流行らないだろうなぁと思えるニッチなものでした。
1つ目はこちら。
グーグル、IEにChromeを埋め込むプラグイン発表
http://www.atmarkit.co.jp/news/200909/24/chrome.html
「IEがいなければWEBの世界はもっと楽しいものになるのに」という気持ちはWEBアプリのフロント側を作ってる人やデザイナーさんたちの中でだいぶ浸透している意識だと思いますが、WEBアプリを大量に作っているGoogleさんにとっても、IEは憎いあんちくしょうのようです。
IEをこの世から速やかに抹消する為には、Chromeという音速のブラウザを用意するだけでは難しいです。
そこでIEのレンダリングをWebkitに変えてしまったり、JavascriptエンジンをV8にしてしまったりする恐ろしいプラグイン、「Google Chrome Frame」をGoogleさんは開発してくれました。皆さん、拍手。
これを使うとお使いのIEは「外見だけIEで中身はすっかりChrome」な状態になります。
このプラグインを使えば、IE以外のブラウザはとうに開発を進めているHTML5にも対応できるようになり、レンダリングも標準に近いものになります。
Google GearsもプラグインベースでIEのダメな部分をなんとかフォローしようという作りになっていますが、Chrome Frameの方が手っ取り早く物事を解決できそうな気がしますね。
IEしか使わないユーザも、プラグインベースの機能であれば、新しいブラウザをインストールするよりも障壁を低く感じて移行がスムーズに進んでくれる可能性もなくはないような気もします。
まだ開発者向けのリリースですが、今後の動向に期待です。
お次はこちら。
みんなでWebページにコメントを残せる「Google Sidewiki」公開
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090924_317380.html
今まで他のいくつかの会社が挑戦してみたものの流行らずに終わった、Webページのコメント共有機能。
世界中のサイトに勝手にコメントが付けられて、それを勝手に共有できたりする感じのサービスです。
現状はGoogleツールバーにだけ搭載されていて、そのうちChromeとかにも展開されるかもしれないそうです。
前にWEBのコメント関連の仕事にちょっと絡んだことがあるのですが、ユーザが自由にコメントを付けれるようにすると、管理がとても大変なんですよね。一番面倒なのが訴訟が起こるような書き込みです。その手の書き込みはサービス提供者に削除責任が出ます。まぁ、その辺はGoogleさんなんで、既にYoutubeで場慣れしてるかもしれませんが。
あとは見ている人が気分を悪くするような罵り合いが起こってサービスのイメージが落ちることもあります。人種差別や放送禁止用語が飛び交うこともしょっちゅうです。
なので、Googleがこのコメントサービスをうまく導けるかどうかは、疑い半分で見ています。
それから、コメントの母数を確保しないと、どこのサイトを見てもほとんどコメントが存在しないという状態になったりしそうですが、その辺については記事に参照先がある場合はその参照先のコメントもインクルールするなどの工夫をしているそうです。
個人的にこのサービスで注目したい点は、API。割とちゃんとしたAPIが公開されてるんですよね。
Google Sidewiki API
http://code.google.com/intl/ja/apis/sidewiki/docs/2.0/developers_guide.html
これ使ったら、CGIとか使わずにJavascript1つで自分のページにコメント機能を埋め込めそうに見えるんですけど、どうなんでしょう。まだちゃんとは見ていないので、詳しいことは分かりませんが。
このサービスは使い方によっては便利なのかなぁと思いつつ、でも成功しない気がするなぁと思いつつ。