2009年11月11日

水戸黄門パターンのニュースは閲覧回数が多いと言ってみる

水戸黄門パターンのニュースとは、こんな感じ。


まずは閲覧者にとって腹が立つような事象を報道する。
(水戸黄門なら、町でチンピラが若い娘さんを困らせているような感じ)

で、それに関わる悪いことをした人か、居なければ適当なスケープゴートを用意する。
(悪代官と越後屋にあたる人たちですね)

あとは視聴者が飽きるまで、贖罪の山羊さんを攻撃し続ける。
(助さんと格さんが大立ち回りを繰り広げるフェーズ)


今も昔も高視聴率を稼ぐ水戸黄門のパターンは、ニュースに適用しても効果を発揮するようですね。
(古典的な技法なので、水戸黄門だけのパターンというわけではないですが。たいていの時代劇も同じ流れだし、北斗の拳とかも大筋は一緒ですね)

しかし残念なことに、このパターンはあまり社会には貢献しません。

例えばとある会社の社員が情報漏洩事件を起こした場合に、そこの社内の対応が「犯人は誰だ」「おまえのミスが原因か」「みんなに謝れ」「3ヶ月間減棒だ」とひとしきり騒いで終了だったりしたら、あまり根本的な解決にならない。

普通の会社なら「ミスの原因はなんだ」「どうすれば防げる」「どんなルールが必要だ」という話に持っていくと思う。(担当者に土下座させて終了する会社もないとは言わないけど)

昔のシステム開発では「バグを出した人を責める」という対応をしていた時期もあったけど、それではバグはなくならないので「ソースレビュー」やら「品質管理」やら「テスト駆動」なんてものが取り入れられるようになったわけです。(それでもバグは出ますが)


水戸黄門パターンの報道は、「悪い人を懲らしめる」ことに主眼が置かれていることが多く、時には被害者救済すら忘れられてしまうこともあったりする。(被害者的にもいい迷惑だ、みたいな)

そんな姿は、問題が起きた際に担当者を責めるだけで改善は何もしない企業にちょっと似てるなぁと思えたりします。

でも、原因究明とか解決策とかを考えるのは頭使うし、意見が分かれてスッキリしない結果に終わることもあるから、「おまえが悪い」という結論が一番楽でまとまりが良い、というのも確かなことだと思います。


というわけで、報道の世界は今後も水戸黄門方式で突き進んでくれることと私は信じています。

ガンバレ、日本全国の黄門様。