2010年04月30日

平易な言葉で書くことと、正確な言葉で書くこと

入門者向けの文書を書く場合、できるだけ平易な言葉が求められる。いきなり正確だけど難解な用語を並べまくると伝わらないので。

しかもできるだけ手短に語る必要がある。あまり長々と書くと本題に入る前に疲れてしまうから。

簡単な言葉で手短に書くと、どうしても片手落ちというか、大枠は外していないけど、「それはちょっと違う。厳密にはね」という話が始まりそうな内容になってしまう。

最近、それっぽい文章を書いていて、昔の入門書に「おまじない」という言葉が入っていた理由がわかった気がした。hello worldにたどりつく前の読者に対して、どうやってヘッダファイルの説明をしろというのだ。まぁ、もっとマシな言い方はありそうな気はするが。

当然のことながら、ヘッダファイルは「おまじない」ではない。正確な表記とは言い難い。

今私が書いているものだと、例えばURL。厳密にはURIを使うべきところでも、URLという言葉の方が知名度が高く伝わりやすい。

しかしURLという単語はRFC3305で「URL is a useful but informal concept」(URLは有用だけど、公式な規格じゃないよ)と書かれている。

じゃ、とりあえずURLで説明しておいて、後でURIという項目を作ってゆっくり詳細を語っておくべきか。

そもそもWebが出来た当初にバーナーズ=リー卿が使った言葉はURLの方なんだ。Webの歴史について書く場合ならそっちを使ってもある意味問題なかろう。

なんていう事情を入門書でうだうだ語るスペースなんてあるはずもなく、うだうだ言いながらとりあえず最初はURLって書くさ、ふんっ。

タイトルに「それほど間違ってない」とでも付いていれば、もう少し気楽に書けるのだろうけど。