2010年06月08日

HTMLってなにと言われたら

W3CのHTML4.01の勧告の中にはこう書いてあった。

To publish information for global distribution, one needs a universally understood language, a kind of publishing mother tongue that all computers may potentially understand. The publishing language used by the World Wide Web is HTML (from HyperText Markup Language).
http://www.w3.org/TR/1999/REC-html401-19991224/intro/intro.html#h-2.2

訳すと、「グローバルに情報を公開する時に、全てのコンピュータが理解できる文書を公開する為の母国語(?)の一種である、ユニバーサルに理解される言語が必要になる。World Wide Webで使われる文書を公開する為の言語が、HTMLである」

publishing languageってなんて訳すのだろう。publishするための言語だけど、邦訳サイトでは「出版言語」となっていた。でも、出版という言葉だとどうも私の頭の中のイメージとしてはしっくりこない。とりあえず「文書を公開する為の言語」と書いたけど、それもどうかとは思う。まぁ、とりあえずpublishing languageだ。


その用途は何を想定しているかというと

* Publish online documents with headings, text, tables, lists, photos, etc.
* Retrieve online information via hypertext links, at the click of a button.
* Design forms for conducting transactions with remote services, for use in searching for information, making reservations, ordering products, etc.
* Include spread-sheets, video clips, sound clips, and other applications directly in their documents.

この4つらしい。訳すと
「* 見出し、テキスト、テーブル、リスト、写真などを含むオンラインドキュメントを公開する」
「* ボタンをクリックしてハイパーテキストリンクを経由することで、オンライン情報を取得する」
「* 情報の検索、予約、製品の注文などを処理するフォームを設計する」
「* スプレッドシート、ビデオクリップ、サウンドクリップ、その他のアプリケーションをドキュメントに直接含めること」

となる。たぶん。

4つ目は最初読んだ時、ちょっと意外だった。こういうのはW3C的にはそれほど推奨しないのかと思ってました。ちゃんと公式の文書と触れ合ってないと、方向性を取り違えるから気をつけねば。

といっても、W3Cの方向性が世界の方向性ってわけでもないわけだけど。



追記。HTMLの歴史についても少し。

HTMLは1990年に開発され、その後、徐々に拡張を重ね、1995年11月にHTML2.0がRFCで標準化され(RFC1866)、その後、HTML3.0がドラフト化(勧告には至らず)、1997年1月にはHTML3.2が、1997年2月にはHTML4.0、1999年12月には現在広く利用されているHTML4.01がW3Cで勧告された。

その後、長い間HTMLのバージョンアップは行われていなかったが、現在、HTML5がドラフトになり、標準化が進められている。HTML5はいつ頃勧告されるのか。Ian Hickson氏の「2022年くらい」という不吉な言葉はあるものの、既に多くのブラウザで実装が進んでいるところを見ると、個人的には2014年頃には(勧告されるかどうかは置いておいて)十分に対応できたブラウザのシェアが80%を超えるのではないかと夢想している。(その時にはおそらく、IE8が最大の敵になっているのだろう。ふぅ。。。)