今年もガイエルさん(ヤクルト)が不思議な成績を出している。8/2時点で打率は規定打席以上の選手の中でダントツ最下位の.199。2割を切ってしまっている。
それに対して、出塁率はリーグ16位の.350。巨人の坂本(打率.302)とほぼ同じ出塁率なのである。
なぜこれだけ低打率にも関わらず、ガイエルさんの出塁率は高いのか。それはもちろん、四死球の数が多いからである。
四球の数は42個とリーグ5位タイ。これだけ打ってないにも関わらず四球が取れてしまうのは選球眼の良さと、ボールが先行したら振らないという意識から来るものと思われる。
もう1つ、ガイエルさんの凄さは死球の数。現在、実に16個。ダントツでリーグトップの数字である。今年の成績から死球があった打席を引くと出塁率は.314まで落ち込んでしまう。2007年にヤクルトに所属して以来、4年連続でコンスタントに10死球以上をマークしているガイエルさんにとって、幸か不幸か死球は出塁率を支える重要なファクターの1つになっている。
ちなみにガイエルさんの今年の安打は現在50本。四死球は58個。四死球が安打数を上回っている。
安打よりも四死球の方が多い成績というと、王貞治氏やバリー・ボンズが記録しているが、それは「まともに投げると長打打たれるから、四球の方がマシ」だと思われるような成績を両者が残していたためである。今年のガイエルさんのように2割も打ってない状態で四死球が安打数を上回るとしたら、それは実に珍しい現象だと言えるだろう。
追記
と言っている間に、ガイエルさんは二軍落ちしてしまった。早い帰還を祈るとしよう。