2013年10月20日

【読書感想】Mobageを支える技術

この前、新しい仕事を探していた時に、知り合いの会社の人からDeNA系の仕事が取れるかもという話を聞いたので、予習がてらに買ってみた。

結局、そこの話を進める前に別の仕事をすることに決まってしまったのであまり意味はなくなってしまったのだけど、せっかく買ったので読んでみた。



感想1

本書は2012年6月に発売されている。中身を見てみると2011年のデータなども出てくるので、2年落ちの本と言ってもいい。スマートフォン界隈の話なんかは2011年と現在ではだいぶ情勢が変わっていて、たった2年落ちでここまで古さを感じさせるものかと恐ろしくなった。

よくこの業界で企業が失速すると「経営者が選択を誤った」とか「時代に対応出来なかった」とか言われるけど、たった2年でここまで変わってしまう業界で先が見通せるならウォーレン・バフェットになれる。モバイルの流れなんてFacebookも思いっきり乗り損なったしね。まぁ、あそこは体力があるから2年かそこらでなんとかしてしまったけど。



感想2

本書の内容は、35億PV/日をさばいているMobageが、どういったシステム構成で、どういった障害に対する構えをしていて、どうやってリリースをしているかといった実務的なことが書き連ねてある。

そんなに物珍しい内容が書かれているわけでなく、サーバ管理をやっている人なら「まぁ、そうなるよね」と思えるような内容が多い。ただ、その中にもちょこちょこ知らなかったことが書かれている部分もあって、読んでおいて良かったと思える部分もあった。

個人的に知らなかったあたりとして、DBのシャーディングをする場合に、サーバの台数増やしたらどうするんだという問題で、「2→4→8→16」と増やしていけばデータの移動は必要ないよね、という話が出てきた。知っていればそれまでの話だけど、自分はそういう発想に至ったことがなかったので、「はぁ、なるほどなぁ」と思った。

また、リリースやサーバ構成の変更時に発生するダウンタイムも非常に気にしていた。自分がこれまで関わってきたサービスなんかは「夜中に一瞬止めちゃえ」で済んできたけど、そうもいかない環境で考えていることについては、あまり知識がなかったのでこれもまた「なるほどなぁ」と思えた。



感想3

全体としてみると、内容がけっこう雑多というか、雑誌の連載っぽいというか、あまり書籍っぽい感じはしなかった。体系的な知識というよりは、ノウハウを羅列した感じ。

それほど長い本でもないので、さらっと読んで、知らなかったことを頭に入れるという用途で使うと良いのではないだろうか。